建築制限緩和のふしぎ
都市計画道路上に建てる建築物は、通常の土地に建てる場合よりも制限がかかっている。2016年に都がこの建築基準を緩和したと。万が一道路整備事業がうまく進まない場合にも土地を活用できるように、住居を建てやすくしました。ただし道路事業が始まったら家はたたんでどこかに引っ越してね、と。
そもそもこの発想がふしぎ。特に都内で経済的許容度や希望の間取りに合わせて住宅物件を探すのはそう簡単なことではなく、購入を決めたとしても一括で払う人よりもそれこそ数十年かけてローンを組んで払う人の方が多い訳です。金銭面以外でも子育て世代はより環境に気を使います。時間をかけて探して手に入れた住宅を簡単に手放せますか?ただし書きがついていても、家族の人生がかかった住居ですよ? 積み木で作った家を壊すのとは違うでしょ!
計画道路の土地買収を期待して手をだしているとしたら、投機的なお買い物ですよ。壊すことを前提とした住居を建て易くって、違和感しかなく、どんな購買層に向けて緩和しているんだか、ふしぎすぎる。
補助52号線 経堂でも動き出した
宮坂の次の区間、経堂地域でも測量の通知が届き始めていたり、私もお隣の家の前の公道を測量しているのを見かけました。動き出しましたね。
優先整備道路に選定されてからの事業の進み方は、
事業概要及び測量説明会
現況測量の実施
用地測量説明会
用地測量の実施
事業着手(事業認可)
用地説明会
物件調査
用地折衝・協議
契約の成立
補償金支払い
物件移転
工事説明
特定整備路線の完成
現況測量は事業を進めるかどうか見究めるための測量、という説明があるらしいが、実際は先に進める為の情報収集でしかない。
環七からすぐの若林はすでに用地折衝を行っているが、入り口付近にもまだ人の営みがあり、都の思うようには進んでいないように思われる。当たり前だわ。人の人生を、生活を、何だと思ってるんだ。
補助52号線 若林から宮坂まで
環七より西側の住宅を蹂躙していく幅員20mの補助52号ですが、すでに若林から豪徳寺、宮坂の2.6kmまでは事業認可されています。
2004年 南北に走る128号線が通る宮坂まで優先整備に認定。
2012年 世田谷線まで特定整備路線で事業化。
2015年1月 世田谷線、2016年2月 宮坂(補助128号線)まで事業認可。
2016年4月 第四次事業化計画で宮坂から環八(千歳船橋)まで優先整備路線として事業計画発表。
このように過去5年で急に色々動き出しています。以前は優先整備路線に選定されてから10年以上経って事業認可していますが、今後、経堂、千歳船橋地域を通る区間に関してはおそらくもっと早く計画を進めたいと思っていることでしょう。
まだまだこの計画をご存知ない方、まさかここに道路は通さないだろうと思っている方も多くいるので、計画自体や反対住民の輪が広がっていることを地域住民の方々隅々までお知らせすることは急務です!!
道路が延焼防止になるのか
第四次事業計画にある計画道路推進は、2012年に東京都がまとめた木密住宅不燃化計画の実施を前面に押し出して加速しています。
なぜ今 計画道路推進なのか
我が家を通る補助52号線は昭和21年に計画決定された、起点目黒区青葉台から終点世田谷区成城まで東西に走る計画道路。
都市計画道路 補助52号線 ほんと?!な話
5年前に世田谷区内に住宅を購入。そして都市計画道路が動きはじめた。
地権者や地域住民がきちんと情報を得られないまま、都庁や区役所の密室で進む優先整備計画。実際そんな話があると聞いた時には、まさかこの時代にこの場所で?とにわかに信じられなかった。
確かに住宅購入時に70年前にできた計画道路案があり、その計画道路がわが家をかすめて通っていく地図は確認したけれど、近くに並行する中規模道路があり必要性が感じられず、その地図上にひかれた計画道路の下には70年経ち多くの人の営みがあるのだから、このまま有名無実化していく道路計画なのだろうとあまり引っかからない話だった。それがまさかの優先整備選定。
70年前に決定された予定道路が、環境も将来の見通しも全く異なるこの時代に進められること自体が摩訶不思議だけれど、今回の優先整備選定理由が何百もの家庭の生活を蹂躙し、周辺住民への環境破壊、騒音被害を無視して行うほどの合理性は見当たらない。
東京都や区役所の務めのひとつには住民の安心、安全な生活を支えることだと思っていたのに、どれだけ不安や怒りを増長させていることか。日中働いてきちんと税金を納め続けているのに、忙しくしている分逆に情報へのアクセスも限られ、本当に裏切られた気分でしかない。こうなったらきっちりと戦っていくしかない。